藤牧正充<テノール>

東京音楽大学声楽科（オペラ）卒業。同大学研究生オペラコース修了。ボローニャ国立音楽院首席（満点授与）修了、ディプロマを取得。第32回イタリア声楽コンコルソ、ミラノ部門優勝、ミラノ大賞を受賞、翌年渡伊。

在伊中、ボローニャ、リミニ、パルマ、フォルリなどでコンサートに出演、ボローニャ室内合唱団に所属、同合唱団演奏会にソリストとして数多く出演。

2004年、マルティーニ作曲「ディリンディーナ」でオペラデビュー、好評を博す。翌3月、ボローニャ国立音楽院創立200周年記念特別演奏会でソリストとして出演、ボローニャ市テアトロマンツォーニにデビューする。同年6月には国際コンクール‟Primo palcoscenico2005”においてチマローザ作曲「秘密の結婚」パオリーノ役に抜擢され、審査員を務めたルイジ・アルヴァ氏より「イタリア人をもしのぐほどの正確な発音と節回し」との絶大な信頼を得て、チェゼーナ歌劇場にセンセーショナルにデビューし、地元新聞、オペラ雑誌‟L'opera”でも絶賛される。同年10月にはボローニャ国立音楽院創立200年記念特別公演において、ボッシ作曲「マロンブラ」（A.フォガッツァーロ同名小説によるオペラ：世界初演）コッラード役に異例の大抜擢を受け、ボローニャ歌劇場にプリモテノールとしてデビューする。その活躍はイタリア国営放送RAI3で大きく取り上げられ、地元新聞、オペラ専門誌上でもその美声と歌唱力の高さは絶賛される。音楽院修了後、日本へ帰国。

帰国後、東京オペラプロデュース主催公演ドビュッシー作曲「ロドリーグとシメーヌ」ロドリーグ役に出演、好評を博したほか、モンテヴェルディ作曲「ウリッセの帰還」、F.カヴァッリ作曲「ラ・カリスト」（本邦初演）、ドニゼッティ「愛の妙薬」、ビゼー作曲「カルメン」などに出演。2012年3月にはベニャミーノ・ジーリの生地レカナーティ市に於いて同協会主催‟ジーリ没後55周年記念コンサート”（於：イタリア、レカナーティ市Persiani劇場）に出演、その美声と細部まで行きとどいたイタリア語の表現は、現地においても非常に高い評価を受けた。

コンサートソリストとしては、ベートーヴェン「第九交響曲」「合唱幻想曲」、モーツァルト「レクイエム」「グレートミサ」「戴冠ミサ」「ヴェスペレ」、ハイドン「四季」「ニコライミサ」「戦時のミサ」「レクイエム」、ヘンデル「メサイア」、バッハ「マニフィカート」、ドヴォルザーク「スターバトマーテル」、オルフ「カルミナブラーナ」など出演多数。三石精一、小林研一郎、ゲルハルト・ボッセ、金聖響など著名な指揮者との共演も多く、いずれも高い評価を得ている。またヴォイストレーナー、合唱団指導など精力的にこなし、斬新なアイディアとその指導手腕は高く評価され、多くの演奏会を成功に導いている。

現在、東京音楽大学、同大学院講師。東京二期会会員。日本イタリア協会総務委員。深谷市音楽連絡協議会副会長、佐久演奏家協会会員。（平成25年更新）

◆藤牧正充CDお知らせ:「 いとしい人よ、あなたに愛を」

 平成25年5月25日発売　藤牧正充(T) 田中健(P)
 

<美しい歌声と優れた歌唱力、イタリア歌曲に相応しい高度な表現力！！　　　待望されていたベルカントテノール・藤牧正充のCDデビュー！！>

声楽家として類稀な資質を持ち、豊かな音楽性と確かなテクニックを兼ね備えたテノール藤牧正充、待望のCDです。収録曲は、藤牧が得意とするイタリア歌曲、イタリアオペラのアリア、日本歌曲から構成されております。きめ細やかで透明感のある政党はテノールの魅力的な響きを十分堪能していただけることと思います。(音連会長北川)

 [収録曲]私のいとしい人 （ジョルダーノ）　アマリッリ （カッチーニ）　アヴェ・マリア （トスティ）悲しみ （トスティ）　私に静けさを （トスティ）　苦しみ （トスティ）　暁は光から （トスティ）ああ、私の愛する人の （ドナウディ）限りなく優雅な姿 （ドナウディ）郷愁 （チマーラ）燕は古巣へ （クレシェンツォ）君をとても愛している （クルティス）泣かないお前 （クルティス）「愛の妙薬」～人知れぬ涙 （ドニゼッティ）「アルルの女」～ありふれた話 （チレア）「ウェルテル」～春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか （マスネ）「清教徒」～いとしい人よ、あなたに愛を （ベッリーニ）「オリー伯爵」～恵まれし運命が （ロッシーニ）「リゴレット」～女心の歌 （ヴェルディ）ゆく春 （中田喜直）ひぐらし （團伊玖磨）野ばら （山田耕筰）